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~日常を離れてつくったものたち~ 創作文・写真・絵
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5歳くらいの男の子。

自転車おかあさんの後ろを必死でついてゆく。
補助輪なし。
フラフラ。

キュッ。
信号待ち。

おかあさん:「ここをわたったら、こっちに曲がるからね。
       わかった?こっちがわだからね?」
男の子:「......むずかしいなぁ...。
     じゃ、曲がるときいっかい止まってもいい?」

信号が変わって、
横断歩道を渡り切り、
右折するときの男の子の真剣なドキドキ顔。

男の子はスピードを下げ、ゆ〜っくりと、止まらずに、
きれいに右折していた。


2007.4.15
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雨降りの今日、
亀戸から小岩に向かう混雑したバスの中での会話。


おじいちゃん: 「小岩に着いたらイトーヨーカドーに行くよ」

姉: 「”おくさん”行くの?」

おじいちゃん: 「今日は”おくさん”行かない。その代わり”ろくさ     
       ん”に行くよ」

姉: 「わ〜い、やった〜!」    

妹: 「”ろくさん”てどこ?”おくさん”行かないの?」

おじいちゃん: 「行かないよ。今日は”ろくさん”」

妹: 「”ろくさん”てどこ?」

姉・おじいちゃん: 「さてどこでしょう?わからないの〜?」(ニ
         ヤニヤ)

妹: 「あっ!6階のことだ!!」

姉・おじいちゃん: 「そうだよ〜」

妹: 「そっか〜。今日は雨だから”おくさん”じゃなくて”ろくさん”
  なんだね!」

おじいちゃん: 「あそこは”さんさん”も”いちさん”もいるね」

姉: 「うん。”ちかちゃん”もいるね」

妹: 「”ちかちゃん”〜」(うれしそう)

おじいちゃん: 「”ちかちゃん”には焼そばがあるね。」


バスは混んでいて、
そのせいで乗客はどことなく不機嫌で、
でもつり革につかまったおじいちゃんと
小2のお姉ちゃんと小1の妹は、
ずっとそんな風にクスクス話をしていました。
可愛かったな。

(どうやら”おくちゃん”は屋上で、
”ろくちゃん”はおもちゃ売り場らしいです。)


2006.6.18
「バスの中のある家族」


父。
母。
娘。

父に抱っこされる娘。

紅玉よりも小さなあたま、
私の親指よりも小さい拳。

首は据わってたけど頼りなげ。

いい体格の両親は
さっきからマンガ本に首ったけ。

娘がそのマンガ本に手を伸ばすと
母親本気で娘を遠ざける。

仕方なく父親がマンガ本を彼女に持たす。

ブンブンブン!!(掴んで激しく振ってる)
バタ。(落ちる)
父拾って渡す。

ブンブンブン!!
バタ。
父拾って渡す。

更に ×2回。

おもむろにマンガ本はしまい、
今度は携帯電話を娘に渡す。

娘はそれに着いているキーホルダーが気になったらしく、
「ん、ギャーーーー」
と雄叫びを上げた。




2006.11
「本日の子どもたち」


目の前の公園はなぜか今日も大賑わい。

学校の休み時間の校庭に見えるくらい子ども、子ども。

酒井駒子さんの絵に登場しそうな4歳くらいの男の子と女の子が、
二人一緒に「オニごっこ」のオニになったらしく、
隅っこの花壇のところで目かくしをして小さくしゃがんでた。

「もういいかい」
「まぁ〜だだよ」
を、間をおかず繰り返す幼き子軍団。

「まぁ〜だだよ」の声が色んな処に移動している。

やっと、
やっと、
「もういいよ」って言われた時、
そのオニ役の二人はそっと手を繋いだ。

私が散歩から帰ると、
その二人はまるで家のカーペットの上で寛いでいるかのように、
公園の入り口の平らなコンクリートの上にごろ〜んと寝転がって
それぞれボンヤリ遊び疲れた顔をしていた。

とても素の顔だった。


2006.10.29

*参考に酒井駒子さんの絵↓

「仲良くなる途中」


午前中。

「来ないで〜!!」、
「だから話しかけないで!」、
と言い合っていた小2の女子グループと男子グループ。

こんなやりとり繰り返す。

「うち帰って弁当喰ってこよ〜っと。行こーぜ!」
「うちはまだご飯じゃないもん!」

と言い合い一旦お別れ。



午後。

いつの間にか2グループの遊び声が混ざり合ってる。

みんな一緒に駆け回ってる。

「あっちにトラップが仕掛けてあるぞ!」(ごっこ遊びをしているらしい)、
ダッシュする音。
「痛い。」(一人の女の子がかなり豪快に転んだらしい)
「よし、オレがおぶってやる!」
「重くない?」
「うん。」

そして午後4時、今は女の子ん家の前の広いガレージで皆で遊んでる。
それはうちの隣り。


2006.10.21
「蒸し厚暑い夏の午後5時」


てくてく歩きながら、
黄緑色のプラスチックの虫かごを
覗き込む男の子。

そのぷくぷくの頬の先には
死にそうな大人しいアブラゼミ。

でも男の子はわくわくを
隠しきれない足取りで、
カゴを覗きながらお父さんの後ろを行く。




2006.8.22
 「浮き彫りになる」


浮き彫りになる
立体的
喫茶店のガラス窓から覗くおばさん


2006.3.27
「ボハッ。」

、って咲いてました。桜が。
私は幹に絡み付いてました。
小さな小川が流れていて、
その脇には真新しい緑色をした雑草が揺れていました。
たった五枚の花びらからもいい香りが届きました。


2006.4.2
「白のシャクヤク」

いまうちの庭に咲いています。
蕾もふたつあります。
あの蕾。(愛おしいなぁ)
まあるくかたい蕾。
いつ開くんだろう。
咲いた花の中には小さい蟻がトコトコいました。

『祝祭』のイメージ。


2006.5.
「雨なのに」

朝9時まえ。

一軒のふるい中華料理店。
ガラス張りの店頭を、
全身をつかって大きく丁寧に拭く中年後半の男性店主。

雨なのに。
雨だから?

丁寧に拭く。

思わず覗き込んだたその顔は、
ピカピカしてた。


2006.6.22
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