~日常を離れてつくったものたち~ 創作文・写真・絵
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「ロウソク」
蠟燭に火を灯すと 部屋一面に薔薇の香りが広がった。
「知ってる。この香り。 知ってる。 どこかで嗅いだ。」
蠟燭を守るように両手をかざすと、炎が真っ直ぐ上へのぼった。
明るく、すーっと上まで伸びた。
細くなった炎の先から 黒い煙がしゅうしゅうとさらに上へのぼっていった。
炎はユラユラゆれたが、決して消えなかった。
炎に照らし出されたマッチ箱、鉛筆立て、石ころも、
ユラユラゆれているようだった。
窓の外は明るさを帯び始めていた。
青白い世界に少しずつ光が増してゆく。
でも、いま何よりも明るく暖かいのは、
この蠟燭の炎と、ストーブの紅い火。
ゴクン、ゴクンと石油が呑み込まれてゆく音。
そしてやっと休息の時。
昨日のシャンプーの匂いの遺る枕に深く頭を沈める。
目を開いたまま。
何かを見ようとして。
何も見えないのに。
深呼吸する。
そっと目を閉じる。
一日よさようなら。
蠟燭に火を灯すと 部屋一面に薔薇の香りが広がった。
「知ってる。この香り。 知ってる。 どこかで嗅いだ。」
蠟燭を守るように両手をかざすと、炎が真っ直ぐ上へのぼった。
明るく、すーっと上まで伸びた。
細くなった炎の先から 黒い煙がしゅうしゅうとさらに上へのぼっていった。
炎はユラユラゆれたが、決して消えなかった。
炎に照らし出されたマッチ箱、鉛筆立て、石ころも、
ユラユラゆれているようだった。
窓の外は明るさを帯び始めていた。
青白い世界に少しずつ光が増してゆく。
でも、いま何よりも明るく暖かいのは、
この蠟燭の炎と、ストーブの紅い火。
ゴクン、ゴクンと石油が呑み込まれてゆく音。
そしてやっと休息の時。
昨日のシャンプーの匂いの遺る枕に深く頭を沈める。
目を開いたまま。
何かを見ようとして。
何も見えないのに。
深呼吸する。
そっと目を閉じる。
一日よさようなら。
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散歩。温泉。旅。クロッキー。自転車。写真。ごろごろ読書。映画・美術・音楽・ダンス鑑賞。クネクネゴロゴロ踊る。
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このブログは、
創作短文や文章スケッチや絵の発表の場として
つかっています。
画像は携帯電話によるものです。
*このテンプレートはブログ会社の既製品です
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