忍者ブログ
~日常を離れてつくったものたち~ 創作文・写真・絵
2024-111 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 prev 10 next 12
20  21  22  23  24  25 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

「詩でも俳句でも短歌でもない」

あすをも知れぬ命のなか、
あすをも知れぬ自由のなか、
ひとつ心にとどめたいのは、
空に昇るかのように伸ばした手のひら。

伸ばし伸ばした腕から浮かび上がるほね。

好きだった、
一緒にいたかった、
愛してました、
そんなコトバの数々よりも、
持ってゆきたい感情は、
あの雲を超えて、
伸びて伸びてゆけると感じた手応え。

なにをも運べず道すがら、
春の宵に見た光のわ、
たましいの気配に混じりたり。



2006.5.

PR
「世界遺産」

この山のてっぺんをわたしはみたことがある。
以前。
ここにうまれてくるのをえらぶまえ。

ずうっとむかし。
はるかかなた。

このとがった雪山の先端をみながら夕陽の紅さにみとれていた。
このほしにうまれるずっとまえ。
はるかかなた。

まだてんしみたいなものだったころ。

かみさまからすこしはなれてこの山をみにきたんだ。

はるか下の湖面にはおひさまのひかりが当たって反射していた。

おかあさんのおかあさん、おとうさんのおとうさん、
そのかけらさえまだ存在していないころ。


                     2006.4.30

「再び 森」

ある森に一本の巨木がありました。
人々はそれを見つけ、驚き、崇めました。
その代わり、平らに整備された木の道ができ、汚物であふれる仮設トイレは変化せず、
人々の自然への畏敬の念と同量の重さが木の根を踏み固めました。

それでも偉大な森は神々しさを失わずそこに在りつづけました。

しかしそうはいっても踏まれに踏まれた根っこは相当のダメージを受け、
数百年後、数世紀後を慮った一部の人々の働きかけによって、
その森はこの先10年間人間が踏み込むことができないように定められました。
その声には不満の声も大きかったのですが、ユネスコが推奨したことあり実行されました。
その期間、なんと80年。
その後も100年、101年、、、と人間が近付かない時間が流れました。

100年後に生きてる人はいません。
人々はその森を一部に伝説として残しただけでした。

巨木はその間また霊気をため、
草や苔がすべてを覆いかくしてしまいました。

止むことのない少ない雨と、晴れることの少ない霧に包まれ森はますます深く広くなりました。


                          2004.4.14



「森の人」


森の人 オラウータンは 百歳を超えると人間のことばをはなすようになる

人間は150歳を過ぎると 世界中の言語の意味が理解できるようになり、

300歳を超えると地球の鼓動を感じられるようになる



                         2004.1.31

「友、引っ越す  第一心模様」

耳に膜が張ったよう。
「長崎」ってどこだっけ。
iモードで検索
(日本地図なんて出てこない)

耳、未だ膜張ったよう。
”異動辞令って残酷。”
”転勤職だもの、仕方ない。”
九州弁を話す友を想像。
”あの真面目で賢い夫婦は私より大人だけど、
うまく溶け込めるだろうか。”
”沖縄行く時はかならず寄ろう。”

あとは
準備に奔走する彼女と、
母親の心を考えるばかり。


2005.7.8

「箱男」


「オレは何もいらないよ。」
本から抜け出した箱男は無愛想にそう言った。

「だったらなにか気に掛けてほしそうに私たちと一緒にちゃぶ台を囲まないでくださいな。」

一家は食事中だった。
少し塩っからい味噌汁と冷や奴、黒豆の煮つけ。裏の畑から穫ってきたばかりの甘く熟したトマトに卵焼き、と質素な食卓だった。
質素ではあったがどれも土地物の新鮮な素材のものばかり。

父親は留守にしていたが、一家は黙々と静かに食事をたのしんでいた。

豆電球の薄黄色い光が風にユラユラ揺れる。
ハエや蛾がちらちらと明かりに誘われる。

「もう、箱からでたいなぁ。」
箱男が弱音を吐いた。

「それじゃあ、あなた、箱から抜け出たらただの”男”じゃないですか。男の人は家(うち)に置いとくわけにはいきませんよ。」

外側へやっと出した右足を、箱男はしぶしぶ中へしまった。

お姉ちゃんがくすくす笑った。下を向いて誰にも気づかれないように。



1997,夏

「冒険者たち
 Simamoto Syozo 」

ある人は親子で。
ある人は、髪を少しだけ緑色に染め(見た目は黒)、スカートをはく。
それが大挑戦。
ある人は蛍光紙コップをまとめて頭にスッポリ被る。走る。手を振る。
ある者は、美大そっちのけで、道が拓けてスキップした。
ある者は、娘を抱き裸で女拓をとる。
ハダカで塗られる漆黒の墨。
(胴体にしっかりとからみつく娘の脚。)
ある女性は、女拓にまるで男性器のようなものが残る。

77歳の師匠。
自分は歯ブラシの先端、直径0.2mm1本1本に顔を描く。
ハゲあたまにそれらの映像を映す。

瞳は余裕があり、鋭く輝く。
冒頭文2番目の人は最後ボーズになる。(40代の女性)


2005.7.8.
 「鯉 カメ 鯉 カメ」

沼池から、ピンク色の蓮の華とまっすぐ伸びた茎と葉。
目線ずらして水面。
覗くと、どこからともなく集まる鯉・カメ。
鯉は筒状の口内を見せながら。
カメは潜望鏡のように頭突き出しゾンビのよう。
隣りの子、彼等目がけてエサ投げる。
コイの上にコイ。すきまにカメ。押しのけてカメ。
しつこくコイ。
いつの間にか手すりにハト集合。
すごい勢いで「エサくれ」の眼をする。
子ども、逃げる。

一本指をカメに向けると、近付いてきてじっと見る。
触ろうと指を伸ばすと、口の中から恐ろしい触覚が!!
とゆうのは嘘で、撫でられる。
その大きさは通常のミドリガメを超え、もはや海亀。

別の子どもは、同じ場所でザリガニを素手で捕まえ、
もうひとりは、しおれた蓮の茎にイカをぶら下げ挑戦してる。

2005.7.7
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
フリーエリア
最新コメント
[10/10 HISA]
[09/05 小僧の母]
[08/15 takeshi]
[06/25 HISA]
[06/16 takeshi]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
ようこ
性別:
女性
趣味:
散歩。温泉。旅。クロッキー。自転車。写真。ごろごろ読書。映画・美術・音楽・ダンス鑑賞。クネクネゴロゴロ踊る。
自己紹介:
覗いてくださってありがとう。

このブログは、
創作短文や文章スケッチや絵の発表の場として
つかっています。

画像は携帯電話によるものです。

*このテンプレートはブログ会社の既製品です
バーコード
ブログ内検索
カウンター
アクセス解析
"ようこ" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]