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~日常を離れてつくったものたち~ 創作文・写真・絵
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「声」

どんなに泣いても

泣いても

もう会えない


2004.
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「無題」

わたしはボキャブラリーが少ないので、
その人たちを仮に「優しい人々」と呼ぶ。

その人たちは幸せな恵まれた環境を与えられ、その気になればその世界から一生出ずに済んだ。(だからほとんどの人がそうした。)

彼等の環境は、世界地図の中のたった一つの国のように、
数多くある環境のバリエーションのうちのたった一つだった。

そして、彼等のうち何人かの人々は、その外の異なる環境の存在に気付く。

それを仮に「世界」と呼ぶ。

何人かはその異なる世界を調べ、
何人かはその異なる世界をテレビや映画で知り、
何人かはその異なる世界を夢見、
何人かはその異なる世界へ迷い、

何人かはその異なる世界へ自ら赴く。

世界を知ってしまった人々は立ち止まる。


もがき
悩み
混乱し
時には吐き気をもよおし、
でもその眼を閉じようとしない。

祈ることが何になるのかと祈る。

ほんとうはばかだからやさしいひとびとになってしまうの?

彼等は立ち尽くしたままその手を伸ばし空気を揺らす。



その波はやがてどうなるの?



2003.11.30
「その人」

その人は静かだった。
冷たいくらい澄んだ眼でずっと遠くをみているようだった。
まるで、周りのことに一切関心がないかのように。

長い腕だけユラユラと伸び縮み、空間の機微を感じとっているよう。
それで充分満足なのか、声を発して何か訴えるようなことはほとんどしない。

何を考えているのかいつも分からないから一緒にいると退屈。

でも時々見せる、冬の星空のような瞳には縛られた。

この人は、
もの凄く孤独で、それを自分で知っていて、
でも、それに振り回されることしかできない自分も知っていて、
そんな自分を冷静に見ているのかもしれない。

もう一歩で伸びやかな光の芽が生まれるところにいるのに
そこまで一人で行けない人。

貴重なたましいだったな。


2003.6.22
「希望」

私は本当は泣きたかった。
今気付いた。

ほんとうは、
膝を地に着いて頭を丸め、誰にも気付かれずごうごうと泣きたかったんだ。
薬を飲んだって深呼吸したって本当はそんなの何の解決にもならない。

私は本当は恥も外聞も捨てて辺り一面に怒鳴りたかった。

ああもう本当に。


2003.3.7
「晴れた日に」

わたしはずっと待っていた

広い砂漠で一台のオンボロバスがやって来るのを

排水口の向こうの世界の王様とポロをするのを

鏡に映るわたしが心から笑ってる日が来ることを

安心して電車に乗れる日が来ることを

これから会う人と一緒に時間を過ごせることの喜びで、
たたそれだけで心がいっぱいになる日が来ることを

幸せだったな、と言って死ねる日が来ることを



2003.
「手料理」

おいしい料理は、
友人が作った心のこもった料理は、

あたたかい。

何ものにも代えられない至福の時




私は病んでいるかも知れない
偏っているかも知れない
愛情がないかも知れない

 でも それは感じることができる


2003.12.27
「無題」

彼女を迎えに行くんです。
彼は本当に嬉しそうにそう言った。

「彼女がスペインから帰って来るんです。
 3年間待ち続けたんです。
 大好きだったから。」

その間彼は彼で日本で一生懸命働いていた。
スーツを着て重いカバンを持って、上司に怒鳴られたり可愛がられたりしながら、
幸せな日が必ず来ることを信じて。

真っ赤な口紅をつけた髪の長い女の子がニコッと笑いながらてくてくやって来た。
その子の後ろから、まるでお陽さまのようなキラキラしたものがついてきた。

風も光も朝露も、すべてを含んでいるような笑顔。


2002.9.14
「風呂場にて」

お風呂で吐くように泣いていたら、
もうやめなさい、と声が聴こえた。
顔を上げると誰もいなかった。
私は腫れたまぶたでキョロキョロした。


2002.9.14
「1998年4月20日」

藤の花

アーモンドチョコレート

ブルガリアのヨーグルト

なでられた前髪とあふれる涙とキス

素朴とうこと

恍惚

聖なる洞窟

PICASO

ギター

ジミー・ヘンドリックス

エアロスミス

重要だと思っていた些細なこと と
大切に思える忘れてしまいそうな小さなこと

葉書き

つたう

純粋ということ

赤いヘルメットとシッポ

急ブレーキ

草むらで鳴く虫


1998.4.20
「5月1日」

白い人

いつも真ん中

不釣り合いの上履きシューズ

変テコなのに気にしてない

ピンクのエプロンとズボン

死人の爪

低い蜘蛛の巣

椅子にたまる雨水

京都のオリオン座

江戸っ子のおじいちゃん

迎え火



お腹


1998.5.1
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